ショートケーキの日
ショートケーキほど市民権を得ているケーキは他にないと思う。
真っ白なクリームでドレスアップされていて、いちごの赤で飾り付けたショートケーキは洋菓子屋さんの主役だ。
そんなショートケーキには毎月22日に記念日がある。
月のカレンダーで見ると、22日の上にはいつも15日(いちご)がのっているから。
もともとは仙台にあったカウベルという老舗洋菓子屋さんが作ったそう。
遊び心のある可愛い発想でとてもかわいい♬
おすすめのお店。
馬車道 NIANES
「お気に入りのショートケーキは?」
と聞かれたら、わたしは馬車道にあるNIANESのショートケーキと即答する。
馬車道の裏側にひっそりと存在するお店。
白い外観にブラインド、看板も出していないのでお店なのか全くわからない。
並んでいる人がいてはじめて、お店かな?と思うくらい控えめ。
置いてある生菓子は日にちや時間帯によっても変わって、ケーキ数種とプリンとシュークリームが主なメンバー。
わたしはここのショートケーキが世界で一番美味しいと思う。
控えめで上品だけれど美しい正統派ショートケーキ。
もっちりとした黄色い生地にフォークを入れて口に運ぶと、クリームとスポンジといちごが合わさってさっと溶けていく。
最初に食べたとき、これは飲めるショートケーキだ!と思った。
どの素材もお互いを邪魔せずバランスが良くて口溶けがすばらしい。
とても軽いけどしっかりと満足感があるところも好き。
ショートケーキ好きな方は、一度試して欲しいお店。
14時以降にシュークリームが並ぶみたいで、そちらも絶品です。
定休日が多いお店なのでInstagramの営業日を確認していくのがおすすめ。
神奈川県横浜市中区相生町5−89−2
アクセス:JR・横浜市営地下鉄 関内駅 徒歩3分
横浜市営地下鉄 馬車道駅 徒歩3分
営業時間:水・木・金・土・日 11:00 – 18:00
月・火 定休日
ケーキ考1. 『とるにたらないものもの』江國香織
ちょっと深くケーキについて考えてみたくなったので書き散らかします。
わたしの大好きな江國香織さんのエッセイから
ケーキ、ということばには、実物のケーキ以上の何かがある。私はその何かが好きだ。ケーキ、という言葉に人が見るもの。
それはたぶん実物のケーキよりずっと特別だ。
ケーキという言葉について深く考えたことはなかったけれど、江國さんのこの文章を読んだとき確かにそうだと感じた。
どんな種類のケーキだとしても、ケーキがあるよと言われれば手放しに嬉しくなってしまう不思議な力。
子供の頃はケーキが出てくるのは誕生日など特別な日で、それが本当に嬉しくて仕方がなかった。
あの頃よりもずっと日常になったケーキだけど、それでも嬉しさと特別感は失われていないと思う。
ケーキ、という言葉の喚起する、甘くささやかな幸福のイメージ。
これが好き。
ケーキだけに留まらないお菓子全体に広がるこの幸福のイメージ。
好きな人たちと好きなものを共有するこの豊かな時間。
お菓子を作る時間を含めて、わたしはこの時間がとても愛おしいんだと思う。
このエッセイは、江國さんが小さい頃から大好きな物への愛を語っています。
本当に何気ないささやかなものでも、与える視線で愛おしく日常がきらきらして見える素敵なエッセイです。
日常の小さなことをこんな風に感じて書くことができるってとてもセクシーだ。
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