休日は父が台所でコーヒーを淹れる。
手回しのミルで豆をガリガリ挽く音、ヤカンに昇る湯気、フィルターを通してポタポタ落ちてゆく琥珀色の液体、家中に広がる香ばしい香りは今でも大好きなものの一つである。
みんなが家にいて、くつろいでいる感じがしてワクワクしてしまう。
たっぷりのミルクを温めて、コーヒーとお砂糖のカフェオレをごくごくと飲むのが大好きだった。
大人になってコーヒーの苦さが魅力になって、コーヒーゼリーのおいしさにも気付いた。
今ではコーヒーゼリーは夏の定番に。
バニラアイスのトッピングでカロリーを増し増しにするのがいい。
甘いバニラアイスとほろ苦いふるふるのゼリーが混ざり合ってなんとも言えないおいしさを感じる。
フードエッセイストの平野紗季子さんは、温くなったコーヒーゼリーを食べると鳥肌が立つ美味しさでそのことを“鳥肌食い”と言っていた。
鳥肌食いという言葉をはじめて聞いたのだけど、
私の日常にも鳥肌食いは確かにあったと思う。
食べることは日常でさらさらとルーティン化して流れて忘れてしまう。
そこをしっかりと感じとって表現できる感性と執念がすごいと思う。
次にコーヒーゼリーを作るときは、温いコーヒーゼリーで“キモうまい”を体験したいと思う。
コーヒーゼリー
材料(4人分)
*豆から淹れたコーヒー 600ml
*ゼラチン 10g
*砂糖 大さじ2
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ゼラチンを少量の水でふやかしておく
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規定の量より豆は少な目でコーヒーを淹れる
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コーヒーが温かいうちに砂糖と①のゼラチンを入れてよく溶かす
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グラスに入れて冷蔵庫で3時間ほど冷やす
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